カカオ豆からチョコレートを作る
「チョコレートが好き」と言ってきました。
カカオの香りと食べた時の苦味が好きで、普段はビターなチョコレートを食べています。
いわゆる"高級チョコ"と言われているチョコレートも
「ショコラティエが材料にこだわって作っているのだから美味しいに決まっている」
という理由だけで、正直 何がどうおいしいのか? なんてよくわかっていないで味わっていました。
今年もバレンタインデーが近づき
毎年行われているチョコレートの祭典『サロン・デュ・ショコラ』の
オリジナルボックスを買おうとホームページを眺めていると
近年は、カカオ豆からチョコレートの板を作るまでを 一貫して行う
「Bean to Bar」が新トレンドとの事。…「Bean to Bar」??
調べてみると、カカオの産地をセレクトし
カカオ豆を
焙煎からチョコレートになるまでの全工程を
お店で行う作り方の事だそうです。へぇ…すごいこだわりだなぁ~
と、「Bean to Bar」のチョコが買えるかと検索していると…
「カカオ豆からチョコレートを作ってみようか」と、天からの声が。ええっ!! 是非とも作りたい!!
単純なのか、言変えれば好奇心旺盛なのかしら?
もう気持ちは
『カカオ豆から作る手作りチョコレート』に向かっています。
気づいてはいます。今のままの自称チョコ好きではダメだと。
とか考えたのは、チャレンジ後。
一度向かった『カカオ豆から作る手作りチョコレート』を作りたいという、
自分の意志はストップできなかったのです。よし!「Bean to Bar」にチャレンジです。
今まで作ってきた『手作りチョコレート』を作る時に使うチョコレートは
「クーベルチュールチョコレート」と言われるものを使っていました。
何故ならレシピの材料にそう書いてあるからです。
同じようにレシピの材料に登場する「カカオマス」。こちらもレシピ通りに工程を進める為に手に入れて使います。
ほとんどのショコラショップでは、取扱いメーカやブランドから
「クーベルチュールチョコレート」や「カカオマス」を取り寄せて 加工してお店に出すチョコレートを作っているそう。
(参考までに)
クーベルチュールチョコレート
カカオ分35%、カカオバター31%以上含まれ、カカオバター以外の代用油脂は5%以下という
国際規格をクリアした最高のお菓子材料
カカオマス
カカオ豆をペースト状にしたものを固形にした状態
何にせよ今までつくった手作りチョコレートには「チョコレート」の形状がありましたが、
今回はその形になるところを作るのです。
チョコレートが出来るまでの工程はこちら。
工程はわかったものの、細かく砕くグラインドや、滑らかになるまですりつぶすコンチングに使う、
専用の道具が無くてどうやって作るのか?
レシピを検索すると、「クックパッド」でカカオ豆から作る手作りチョコレートレシピが1件ヒット。
ショコラティエの様に本格派でなくともご家庭の味で良いのです。
特別な道具が無くてもできるのね。
磨り潰したり、練り上げたりと時間はかかりそうだけど、天の声を聴いた直後から、
私の「カカオ豆から作る手作りチョコレート」はスタートしているのです。
思い立ったら即行動。まずは材料を揃えなくては。
作るのは、チョコレートの王道 ミルクチョコレート。材料はこの4つです。
・カカオ豆
・カカオバター
・粉砂糖
・粉ミルク
チョコレートの原料となる
「カカオ豆」を手に入れます。
カカオ豆は産地によって味が異なるので、カカオ豆が持つ風味が出来上がるチョコレートの味にもなります。
しかし「カカオ豆」を個人に販売している所はほとんどなく、自分の好みに合わせて選んで購入する事は難しいです。
そもそもカカオ豆の流通はどうなっているのだろう?
「Bean to Bar」製法でチョコレートを作るショコラティエの中には、カカオ生産国に農園を保有している方もいるくらい、
チョコレートの味の決め手になるカカオ豆。
そのカカオ豆が採れるカカオの樹は限られた生育条件で育ちます。
・平均気温27℃以上で温度差がほとんど無い
・日照時間が1日5時間~7時間
・降雨量が年間2,000mm以上の高温多湿
・粘土質40%以下の水はけが良い土壌
この生育条件を満たした地域が赤道付近の西アフリカ、東南アジア、中南米になり、そこでカカオ豆が生産されています。
そして味の違いに影響する要因が、
カカオの品種が産地で異なっている事にあります。
チョコレートに練りこまれるフルーツやキャラメル等、他の材料で味が変わるのではなくカカオそのもので、
チョコレートの味わいが大きくわかれるのです。うんうん。カカオ豆から拘りたくなってきました。
そしてカカオ農園は栽培・収穫だけをしているわけではなく、
[カカオの収穫]⇒[発酵]⇒[乾燥]⇒[出荷]までの工程を一貫して行っていて、出荷されたカカオ豆のほとんどは
工場やメーカーで取り扱われているのです。
[ カカオの収穫 ]
カカオの実はカカオポッドと呼ばれ、赤・黄色・オレンジ・緑・茶色など様々な色をしています。
その熱い皮をむくと中に白い実が入っています。
白い実の中にカカオの種が入っています。これがカカオ豆です。
カカオの種がチョコレートの元になるのね。
[ 発酵 ]
次に取り出した実を発酵させてカカオ豆の香りを熟成させます。
白い部分はパルプと呼ばれ発酵によりパルプ部分が取り除かれます。
バナナの葉で包んだり、木箱に入れて約1週間ほど発酵させます。
[ 乾燥 ]
発酵したカカオ豆は日光に当て天日干しをして乾燥させます。
発酵時点では約1/3が水分のカカオ豆ですが、水分量を6~8%までにします。
約3日間乾燥する事で、チョコレート色のカカオ豆が出来上がるのです。
[ カカオの出荷 ]
乾燥が終わったカカオ豆は、各国の厳しい検査基準をクリアした豆だけが、
麻の袋に入れられチョコレートの原料として出荷されます。
今回使用したカカオ豆はこちらの
マダガスカル産のカカオ豆。
産地 マダガスカル
品種 トリニタリオ種・サンビラーノスペリオール
風味 味わい深い苦みと個性的な酸味
マダガスカル共和国はアフリカのインド洋に浮かぶ世界第4位の大きさの島、マダガスカル島を領土としています。
島の中央を南北に連なる山脈の東側は熱帯雨林、西側はサバナと森林、南部には砂漠が広がり、
アップサイドダウンツリー(上下さかさまの木)としてユニークな形で知られるバオバブの木が多くの人々を魅了しています。
しっぽが長いワオキツネザルも有名。
日本国内ではほとんど小売されていないマダガスカル産のカカオ豆。
元々入荷量が少ないだけでなく、マダガスカル産のカカオ豆は産地としても希少価値があるとの事。
とても良質なカカオ豆を入手しました。
カカオバター(ココアバター)
カカオ豆の脂肪分こと。カカオを細かくすり潰してペースト状になった「カカオリカー」を
圧搾して出てきた液体を固めたものです。
ホワイトチョコレートのカカオ分として使われています。
ホワイトチョコレートの方が脂質が多い訳はカカオの脂肪分が多いからなんですね。
色は薄黄色で、常温でも固形のまま保管でき、体温で溶けていきます。
余談ですが、このカカオバターは美容にも効果が期待されていて、
リップやボディーバー等コスメ商品に配合されていたりします。
粉砂糖
グラニュー糖を細かくすりつぶしたもの。
普通のグラニュー糖をミキサーにかけて粉砕すれば自家製の粉砂糖になります。粒子が細かければ細かいほど良し。
粉ミルク
全粉乳ミルクがあればそちらを使用します。
今回は、スーパー等でも手に入る脱脂粉乳ミルクを使いました。
この二つの違いは、全粉乳は牛乳をそのまま粉末にしたもので、脱脂粉乳は脂肪分をほとんどふくまないもの。
牛乳のコクや風味を感じるかどうかに違いがありますが、ミルク感にほとんど違いはないようです。
これもまた味のポイントとなります。
無事、全部の材料が購入できました。たった4つしかない材料だったのに揃えるだけでも大変でした。
あれ?まだ工程の【STEP1】すらスタートしていない…
でもまぁ、材料が届くまで一息つこう~
▼カカオビーンズから作るオリジナルチョコレート Vol.2につづきます
http://locolle.com/?page=article&id=873
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