以前Locolleで紹介した
「青森ねぶた祭り」
弘前市では
「ねぷた祭り」といい、
笛や太鼓の囃子にのせて、大小約80台のねぷたが城下町を練り歩きます。
毎年、夏が近づくと囃子の練習の音があちこちから聞こえてくる。
弘前の夏の風物詩です。
その発祥は弘前市。
農作業が忙しくなる夏 「怠け心」「眠気」そんな邪気を払い
仕事に打ち込こもうとした農民たちの間ではじまった
「眠り流し(ねむた流し)」が起源と言われています。
弘前のねぷたは 青森市のねぶたのような人形型ではなく
扇形のものに絵が張られたものです。
迫力満点の絵は、三国志や水滸伝などの武者絵や戦国時代が題材となっています。
ねぷたが歴史の記録に初めて登場したのは300年ほど前。
長い歴史に驚きました。
人から人へ、長い間受け継がれてきた祭り。
伝統を受け継いでいる人はどんな人なんでしょうか?
夏に向け、今年も もう準備が着々と進んでいます。
ねぷた絵師
「徳差 盛堂~Tokusashi Seido」さんの作業場にお邪魔してきました。
私がお邪魔したときは、藤崎町のねぷた祭りの絵を描いているということでした。
この絵はこの日で完成。次は弘前市の相馬地区のねぷた絵に取り掛かるそうです。
床に広げたねぷた絵はとても大きく感じる!
まつりで見るのとはまた違った迫力です。
小さな紙に描いた下絵を大きな紙に移していくそうです。
この絵のテーマは中国に伝わる魔除けの神「鐘馗の伝説」をもとにしています。
唐の6代皇帝 玄宗は連日の高熱にうなされ、鬼に襲われる夢を見ていました。
夢の中で鬼を退治したのは「鐘馗(しょうき)」と名乗る者。
夢から覚めるとすっかり元気になった玄宗皇帝は、鐘馗の絵を描かせ
魔除けの神として広まっていったそうです。
大きな絵ですが髪の毛の質感、表情や関節の動きなど
筆使いがとても細かで、躍動感を感じます。
白い部分は溶かした蝋(ろう)で描かれています。
こうすると、明かりを灯したとき光って見えるそうです。
ねぷた絵を裏側から見るなんてとても貴重。
徳差さんがねぷた絵を描きはじめたのは2002年NHKのねぷた絵教室。
工藤盛龍(Kudo Seiryu)さんに弟子入りしました。
絵師として祭りデビューしたのがその2年後の2004年というので驚きます!
今後どんな絵を描いていきたいですか?と聞くとちょっと意外な答え。
「どんな絵か~... 一番大事に思っていることは
僕が描くねぷた絵は“芸術”じゃないってこと。」
見る人が見ればわかる“芸術”を極めるよりも
ねぷたに参加する人や沿道で楽しむ人にわかりやすく「ねぷたって凄い!」
そう思ってもらえるのが一番!
伝えて行きたいのは「ねぷたの楽しさ」
それで子供たちが「ねぷた絵師」になりたいって思ってくれたら最高!
と、アツイねぷた愛を感じました!(*''ω''*)
長い間受け継がれてきた「ねぷた祭り」。
技術の継承だけでは、こんなに長い歴史は作れなかったかもしれません。
「ねぷたの楽しさ」を次の世代に受け継いでいく。
それが伝統継承に一番大切なことなのかもしれませんね。
徳差さんが描く相馬地区のねぷた絵の今年のテーマは
「三国志 鮑三娘(ほうさんじょう)奮戦の図」
これはその絵の一部です。
美しく武芸に秀でていた鮑三娘。
何人もの男から求婚されるも「自分より弱い男とは結婚しない」と断り続ける。
強い女性像を徳差さんはどのように表現されるのか、とても楽しみですね(^^)
2017年の祭りの日程は
藤崎町 ねぷた祭り 8月1日~8月5日
弘前市 ねぷた祭り 8月1日~8月7日
8月1日~4日 : 土手町運行 18:30~22:00頃
8月5日・6日 : 駅前運行 18:30~22:00頃
8月7日 : 土手町運行 9:30~11:30
青森ねぶたまつりも素晴らしいですが
弘前のねぷたまつりもまた違った盛り上がりがあります。
ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
Aomori Japan
Hirosaki NEPUTA Festival
NEPUTA Artist TokusashiSeido
定休日: