山形県米沢市にある小野川温泉。米沢駅から車で25分で行くことができます。
小野川温泉は、平安時代に小野小町が温泉を開き、その泉質の良さから
伊達政宗をはじめ歴代の上杉の殿様が愛したことで有名です。
そんな小野川温泉で栽培されている「小野川豆もやし」
小野川豆もやしは、温泉の熱を利用して栽培される豆もやしです。
温泉が流れる溝に砂を敷き、温度を保ちながら栽培します。
最後はたっぷりの温泉で洗って出荷されます。
雪が多い米沢。冬の間に生産できる作物として大事にされてきました。
長くて厳しい冬を越すための先人たちの知恵といえますね。
温泉の熱を利用した温泉もやしは、ここ小野川温泉と青森県南津軽郡にある大鰐温泉の2箇所。
一般的にもやしは”水”で栽培されますが、温泉もやしは”土”で栽培されます。
城下町が近いことや自然豊かで雪がとても多いこと。
小野川と大鰐、共通する点が多いような気がするのは偶然でしょうか。
冬の間とはいえ、準備は夏に入る前から始まり
栽培中も温度管理が大変難しいため、簡単には出来ません。
小野川豆もやしも生産数は少なく、11月~3月の間に小野川温泉か米沢でしかいただけない
大変貴重なものになっています。
もやしはカリウム、ビタミンB1、B2、ビタミンCが豊富で、美容食として知られていますが
豆もやしは、袋もやしに比べその栄養価は2~3倍とも言われています。
さて小野川豆もやしですが、とにかく長いです。30cmあります。
豆はとらずにそのまま調理します。
米沢の郷土料理である「冷や汁」にしていただきました。
芽のシャキシャキした食感がたまりません。豆の味も濃く、ほっこりとした甘みがあります。
弾力が強く食べ応えがありますが、筋っぽい感じはありません。
シャキシャキしているのに繊維は柔らかく口に残りません。
もやし特有の青くさみがないので、そのままシンプルにおひたし
それ以外にもどんな料理にも自然に合いそうです。
種をまいてからわずか7日で30cmにまで大きくなり収穫される小野川豆もやし。
温泉を利用して何とかもやしを育てようと苦労なさった昔の人たち。
小野川豆もやしを守り続け栽培されている小野川の農家の皆さん。
小野川豆もやしに温泉と人間の底力を感じました。
独特なこの食感は一度食べてみないと分からないと思います。
工場で大量に作られているもやしとぜひ食べ比べていただきたいです。
▼スーパーの豆もやしvs小野川豆もやし。食べ比べてみました。
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