寿司に合うお米をご存知でしょうか?
青森県黒石市では、幻の米となった「黒石産ムツニシキ」を、
米の特徴を生かし【寿司に合う米・寿司専米ムツニシキ】として復活させました。
かつては青森県内だけでなく、
函館でも多くの寿司屋や料理店で提供されていたお米が、
黒石産のムツニシキであったそう。
この時から「魚との相性が良かった」と認知されていたのかもしれません。
海を越え北海道まで渡ったムツニシキは、1972年に誕生。
1998年までは青森県奨励品種として、黒石市や旧相馬村などで作付けされていました。
しかし当時の農業者は多収を求めていた事もあり、
背丈が高いため倒れやすく収穫量の少ないとはムツニシキは、
つくり手が増えず、次第に作付けされなくなったのです。
この幻となったムツニシキを20年ぶりに復活させるべく、2015年に水稲農家で構成された「南黒おこめクラブ」に、黒石市が栽培を委託し、青森県の寿司職人と、その食味を追求しながら、新たな「寿司専米・ムツニシキ」が確立、2018年11月1日にデビューとなりました。
両手ですくえるくらいの、わずか360グラムのムツニシキのモミから苗にし、
3アール(0.03ヘクタール、約100坪)の作付けでスタートしたムツニシキの栽培。
2018年度は作付面積、5ヘクタール20万トンの収穫、
今年、2019年度は8ヘクタール約38万トンが収穫できるまでに、ムツニシキの生産は拡大したのです。
「甘みがある」「すしに合うコメ」として評判も高いムツニシキは、
一般販売はされておらず、青森県内25店舗の寿司店で「お寿司」としていただく事ができます。
全国的にみても寿司米としてよく使われるお米の代表格は「コシヒカリ」という事ですが、近年は、一粒一粒しっかりと立ち、粘り気の少ないお米、例えば宮城県産のササニシキなどが、寿司米として注目されているようです。
「黒石産ムツニシキ」も同じような特徴をもっています。
他の品種に引けを取らない寿司米として、広く多くの人々が味わってもらいたいお米です。